プティハッピーの花束

日々の中で取るに足りないような小さなしあわせに氣付くこと

トリオ

川沿いを夕方3時半くらいにわんこと散歩。


川向うからジャズが聴こえた。


わたしは目が悪い。


橋の下での演奏が生音だと思うが、あまりに完成度が高く、ここら辺で楽器を練習しているひととは違うと感じた。


だから、単に完成品をプレイヤーで流しているのかとも思った。


磁石のように引き寄せられ、向こう岸に。


音に近づくと、やはり生音だった。


ドラムにベース、キーボードと練習というのではなく、ジャズが成立していた。


そばにかけより、しばらく佇むと、胸がいっぱいになり、涙が溢れた。


なんで泣けてくる?


こころが動いたから。


キーボードの旋律で鼻がツンとする。

透明で澄み切ったうねりにベースがつまびかれ、ドラムが追い打ちをかける。


なんて贅沢な時間だろう。


わんこと川沿いの優しい風に吹かれながら


ここで今、ジャズが生まれるのに立会う。



しずかで澄み渡る曲が2曲続き、最後の軽快なリズムのジャズに思わず頭が揺れた。


音楽がこんなに胸に染み渡る。


自分が回復してきたのがわかった。


閉じ込められた感受性が、再び開き、このひとときの刹那に震えた。


拍手してお礼を言い歩き出した。


しばらくしたら、今度は風船のご高齢紳士が、座っていた。


再会だ。


やっぱり、ワンカップ、

やっぱり、昭和歌謡が流れていて、

長い風船で動物や花を作っている。



わたしが近づくと、


黄色とオレンジの風船で作った花のブレスレットと


わんこと花の風船をくださった。


風船のオレンジ、黄色、ブルー


ビタミンカラーの風船には、作った高齢者の、元氣と温かさがいっぱい詰まっていた。





最高の音楽


元氣で温かい風船



今日はなんてしあわせな日なんだろう。


有り難い。