プティハッピーの花束

日々の中で取るに足りないような小さなしあわせに氣付くこと

替天行道


 中村隼人さんの宙吊りありの大スペクタクルの歌舞伎、新、水滸伝を堪能しました。

中村隼人さんの美丈夫もさることながら、市川中車さんの色氣に惚れ惚れしてハラハラドキドキでした。


個人的には市川笑也さん演じる青華という武芸達者な女性の、自分を枠に嵌めた生き方をしている切羽詰まった凛とした姿、

凛々しさと儚さに惹き込まれるていきました。

この青華さんと市川猿弥さん演ずる王英とが相思相愛になっていくシーンなども、ハッピーエンドのひとつで、演者と舞台と観客がひとつになって見守る時間でした。


今、現実には理不尽なこと、誤解、智慧の乏しさ、社会の歪みなどが浮き彫りですが、だからこそ、小難しいこと抜きに、観客が一丸となって舞台を押し上げていくような温かい空間に身を置けたことは有難いことでした。


 水曜夜はバガヴャッド・ギーターの読書会なのにすっかり忘れてしまい、ほわあっと響を味わっていました。


 なんか、今日はサクサクことが運ばれるのもきっと観劇の効果です。

(時に娘恋しいし、懺悔、べそべそに襲われはしますが、短く通り過ぎました)



お芝居、いいです。

高齢になっていくときに、楽しみ、歓びを見つけていく。

生きていれば、プチハッピー、小さな、いや大きかったな歌舞伎は。

歓びと出会えること、歓びを作り出すことで、失ったことを乗り越えられるのでしょう。