プティハッピーの花束

日々の中で取るに足りないような小さなしあわせに氣付くこと

強い白百合

勝浦にある白蛇弁財天さまにお詣りに行ったときのことです。


この弁財天さまの社は

海の向こうにあり、

引き潮でないと歩いてお詣りすることができません。


引き潮の時刻に連れて行ってもらい、


運良く渡ることができました。



その岩や海水のゴツゴツした道に降りていくとき


ふいに目に飛び込んできた白百合。


辺りには花など全くない岩と海水のカンカン照り。


白百合の香りこそしなかったけれど、


枯れじと咲いている花が愛らしく、渇いた喉を潤してくれているようでした。


満開に堪えるように精いっぱい咲いている白い百合。


辺りの草にも負けない力で。


黒、グレー、深い深い緑、乾いたグレーは白に近いこの弁財天さまの辺りは、


社の赤を引き立たせていましたが、


この花にはそれを超えるインパクトがありました。


海辺の白百合一輪。


照らされるコンクリートの端っこの土のわずかな水を頼りに咲く花が、


ぎりぎりに咲いている。


お社の波の音と白百合が

わたしの内景のアルバムにまだ鮮やかに揺れています。