プティハッピーの花束

日々の中で取るに足りないような小さなしあわせに氣付くこと

わんこのダルマ


パートナー犬のビーグルは猟犬家族の一員だった。

うちに来る前は伊豆の山奥で兄弟姉妹、両親や飼い主さん家族と暮らしていた。

こちらに来てからは山歩きするでも、猟をするわけでもなく、川沿いやらお社や住宅街を歩いていた。

当然、住宅街やひとがたくさんいるここらではリードを離すわけにもいかない。

ところが、熊野の山奥では車やひとには出くわさないから、幾度となくリードを離した。

散策し、鼻をフガフガ地面に押し付けては臭いを嗅ぎまわる。

本能がのびのび開く時間。

わからない道でリードを離してしばらくするとわんこは戻ってきた。

もと来た道を帰ろうとすると、

「いやいや、ここから行けるよ

この先にお母さんがいつもいく神様のところがある」


と言っていたようで、言われる方に案内され彼女の後ろを付いていくと、神社に出た。


更にそこを進むと元来た道に続く道に繋がっていた。

だから引き返す必要がなかった。

ワクワク続きの山歩き。

パートナー犬のダルマを感じた。

わたしの猿田彦さま。

道先案内人。

ビーグルはビーグルの役を果たし円満に。

わたしはそれに氣が付き、改めてわたしがリードするより、自然を知る彼女に委ねることの大切さを知った。

わたしが神社で拝んでいたとき、彼女はわたしを見ていて、きっと満足だったと思う。

自分が否定されずにひとや仲間の役に立つことができたとき、最も嬉しい。

彼女をもっと理解し、さらによりよい関係性を育みたい。