プティハッピーの花束

日々の中で取るに足りないような小さなしあわせに氣付くこと

サンタクロース


クリスマスイブの日。

小さいとき、お酒を飲んで帰ってきた父がわたしの寝ているベッドに本を置いて行きました。



本のタイトルは

白雪ひめ。


暗がりのドアが空き、父が枕元に本を置いたのはわかっていましたが、寝たふりをしてそのまま眠っていました。


そんな様子を小学校三年生のとき作文にして、自由帳に書いたら、


担任だった上田幸三郎先生は


「よかったね、たぬき寝入りさん」


と赤いマーカーで返してくれました。


方言をからかわれ、居場所がなかった転校したてのわたしを救ってくれた先生でした。


教科書より、自由帳にのびのび好きなことを書くことを大切にした先生で、型破りそのものでした。


ゆで卵をみんなで作って食べたり、ほうれん草のバター炒めをしたり、寒天を作ってみんなで食べたことは鮮明に覚えています。


授業中、先生はときどき眠いと言って昼寝していて、自由研究の時間になったこともありました。


先生が起きるとおでこに本の形が付いていておかしかったです。


人間がデカイ上田先生がいたから、絵を描いたり、版画を作ったり、作文や詩を書き、自分の内側を表現することを怖れませんでした。


先生に

「先生はどの季節が好きですか?」


と聞いたら

「四季それぞれにいいからなあ〜」


と少し困ったような顔をされました。


写真や絵がめちゃくちゃ好きで、先生の描くひとの表情には深みがあり、スキーばかりやっているほんとに人間味溢れる先生でした。


先生、ほんとうにお世話になりました。

娘さんはたしかわたしと同世代でしたね。


先生が生きておられたら、もう100歳近いです。


影を照らすように上田先生がわたしを守ってくださっています。


Merry Xmas 🎄🎅