プティハッピーの花束

日々の中で取るに足りないような小さなしあわせに氣付くこと

世界でひとつのチェンバロ

バロック音楽はよく聴きます。


あたりが一瞬にして、清廉で氣高く、ひたむきな奥ゆかしい空氣に変わるのが、


雑多な日常にキリリとした

区切りを付けてくれるから。


過去世に、この楽器の時代に尼であった方がいるように感じるのです。


この赤い櫻の柄のチェンバロは、


天女座の矢吹紫帆さんの手描きです。


なんでも、2年掛かりで日本画の先生に教わるため、熊野から千葉まで通い描かれた櫻。


ひと目見ると絶対に忘れられないインパクトです。


赤という色は魔除けでもあり、

エキゾチックな紫帆さんに見事にマッチしていました。


🌅

西から登ったお日さまがひがしいにしずうむ〜


浪曲調に歌われる

バカボンパパの逆さまの歌を思い出しました。



そう、普通鍵盤は白、

フラット、シャープのところは、黒なんですが、


このチェンバロは鍵盤が黒、

フラット、シャープのところは

白なんです。


手が白く見えるとか言われていましたが

その真偽はわかりません。


ピアノはハンマーが下から弦を打つことで音が出ます。


ピアノのサクサクサクサク、ハンマーが上がり下がりする音がメロディに負けないくらい魅力があり、


サクサクサクサクに聞き惚れる変なわたしなので、


なので、ピアノの近くで聴きたいのです。


一方、チェンバロは金属弦を撥いて音を出します。


わたしは撥弦楽器のキーを離すときに発生する


作曲には意図しない音


(雑音とは言いたくない)


がノスタルジックなチェンバロの味を醸し出していて


存在感に惹き込まれます。


2歳から始めて、ピアノのレッスンがだんだん難しくなり、いくら練習して行っても


一曲が、なかなか上がらなくなり


お稽古の度に胸が痛くなり


小学6年生でやめてしまったピアノ。


今なら、あのときの真面目なわたしに


「あんまり細かいことばかり氣にしないで、ピアノを楽しもう」


と言ってあげたい。


中断してしまったピアノ、


一曲上げることに縛られず、いろいろ好きにひくなんていいかなと思います。


もう、ピアノはなくなったから、小さなピアノ、触りたくなりました。


チェンバロを習うなんでいいかも。


楽器は空氣清浄機であり、


空間魔術師です。


紫帆さんの演奏から、鮮やかなコバルトブルーの海や可愛い魚たち、


わたしの恋人


アオメガネモチウオが見えました。


アオメガネモチウオの、あの目にギロッと見つめられるとからだが動かなくなります。


紫帆さんのピアノ演奏でアオメガネモチウオに逢うことができ、涙が溢れました。