プティハッピーの花束

日々の中で取るに足りないような小さなしあわせに氣付くこと

メジロ

朝、メジロをみつけた。


七月になるのに、メジロが枝葉に飛び移っていく。


緑色のメジロは、枝葉の中ではみつけにくい。


愛らしい。


掌に乗る丸み、お抹茶色で目の周りに白いアイライン。


おとなしく鳴き、 ほんとうにいじらしい。


九月は父の七回忌。


父が一番好きな野鳥だった。


わたしとはほとんど話さないのだけど、


野鳥が庭に来ると


垣根が取れたみたいに上機嫌になり、


「静かに見てみ

メジロが来とる」


と言って、メジロを驚かせないようにそうっと窓越しに見ていた。


頑固で生真面目、とっつきにくく怖かったが、


野鳥や熱帯魚、らんちゅうを見るときの父の目は優しかった。


ほんとうは慈愛に満ちたひとなのだと感じた。


お父さん、わかってます。


九月に七回忌させていただきます。


雨上りの空に、メジロを見送った。