プティハッピーの花束

日々の中で取るに足りないような小さなしあわせに氣付くこと

3週間ぶりのOさん


3週間ぶりにOさん宅に訪問した。


80歳、Oさんの自宅でのパーソナルトレーニングは一年以上続いている。


訪問する日の間隔が空いてしまったからか、玄関へと迎えてくださったOさんの髪の毛ばかりが見えていた。


3週間の間に、姿勢が前屈みに倒れてしまわれたのだ。


それと同じように、


「せんせ、もうあきませんわ、毎日しんどいですわ」


と下がり氣味な言葉が飛び出してきた。


✨姿勢とメンタルは比例する。


姿勢が崩れ、胸が萎むと言葉も萎みがちになる。


早速、いつものように椅子に座っていただき、坐骨の上に座り坐骨を真下に軽く椅子の方に押してもらい、座位を整える。


足を軽く引く。

足指に体重を置く。


骨盤がなんとか垂直近くに立ち上がった。


胸が上がってくると、Oさんの顔が見えてきた。


両手を頭上で高く伸ばし、合掌を組んでもらう。


「Oさん、お腹どうなってますか?」


言葉が返ってこないときは、選定形の質問に変える。


「お腹伸びてますか?

縮んでますか?

なにもかわらないですか?」


「伸びてます」

とOさん。


そこから、椎間板の話に入り、両手を頭上高く合掌することで、変化するところ、

手を胸の前にゆっくり降ろしていくことで働くところ、変化するところをゆっくりと何度も、いろんな角度から観ていく。


重心はどうか

腰は?

坐骨は?

腿はどの方向に引き上がる?

胸椎は?

肩甲骨は?


ただ両腕の挙げ下げだけに30分掛け、ゆっくり、あちこち多方面から観ていく。


Oさんは、腕を挙げるときだけでなく、降ろしていくときの

腰から胸椎へ、ひと節ひと節、背骨の階段が一段一段置かれていくように立ち上がっていく姿がイメージできた。


すると、

「手あがらへんのです、しんどいわあ」

の言葉がなくなった。


努力しなくちゃできないことは続かない。

おっくうになり、嫌になる。


最小限の努力を積み重ねれば、意識ではなく、自動的にそれをするようになる。


からだが自動的に働き出すと、努力せずともひとの姿勢は変わっていく。


胸や引き上がったからだが手に入ってもリラックスしていなければ

深いゆったりした呼吸はできない。


よい姿勢を保つのに、努力がいらなければ、首や肩の力が抜け、たおやかな呼吸が手に入る。


前を向いてどんどんやりたいことに進める。

立つことも座ることも、生きることが楽になるからだ。


今現在、筋力がなくとも姿勢は必ず改善される。


どんどんからだは変わってゆける。


内側から、ほんとうの明るい笑顔でにっこりされる方がひとりでも増えていくことが日々の願いだ。